ブレブレ草

信念は3日で揺らぐ超飽き性の23歳女です。

最強のふたり

もう一人のおばあちゃん

私にはもう一人のおばあちゃんがいる。

 

75になった今でこそ2ケタしか体重はないが、かつては100キロオーバーであった「フジコ・デラックス」(75)である。

 

そんな愛称がついてもなお、私たちを許してくれる、背中も心も広いばあちゃんだ。

 

デラックスは、母の弟家族とふるさと・山形で暮らしている。

 

そのおじいちゃんの葬儀以来、ずっと会えていなかったデラックスが、久々にやってきた。

 

デラックスは、長年巨体を支えてきたヒザが10年以上前から悲鳴をあげていて、杖なしじゃ歩けない。もともとテレビを愛してやまない超インドアっ子。3年前に愛するおじいちゃんをなくしてからは、いよいよ外に出なくなった。こちらに来たのは10年ぶりと言ったところだ。

 

もともと祖母とデラックスは仲がよい。

で、なんだか居心地がよいらしく、デラックスの来訪から早3週間が経つ。

 

デラックスは暇らしい。

 

このまま同居しちゃえばいいのに

でも、今私は、本気で二人が同居してくれないかな、と思っている。

お互い最愛の人を亡くして、立派な後期高齢者になって、再会してみたら、超イイ感じだったのだ。

 

両方とも旦那さまとは仲良しで、亡くしたタイミングも、当時は鬱状態になるほど悲しんだのも、一緒。だからそもそも、共感できる部分がまずあった。

 

そして、もう一つ。

祖母は、体は丈夫だけど認知症

デラックスは、ボケてないけれど体が自由に動かない。

だから、お互いを補いあえる。

 

祖母一人では、薬を飲み忘れてしまう。

デラックスが言う。

私も薬を飲んでいるから、同じタイミングで飲みましょう、と。

 

デラックスが車に乗り込もうとすると、ドアを開けるのも一苦労。

そんな時、祖母が扉だけ開いて待っている。

別に、手を貸したりはしないけれども。

 

ふたりでひとつ

行ってしまえば老老介護なのかもしれない。

しかし、ふたりの場合は、凹凸がうまくはまった感じ。必要以上には助けない、さりげない優しさが感じられるのは、ふたりとも自分が介護されてきた身だからだろうか?

 

2人のシェアハウス、結構いい気がするんだけどなあ。

 

 

追記:デラックス、山形へ帰る

甲子園が終わるころ、8月の頭にやってきたデラックスは、9月半ばに帰っていった。

デラックスとしては、おじいちゃんといた場所にいたい、という気持ちもあるらしい。

 

そういう感情は、結婚してみないと、そしてなくてみないと、わからない部分なのかもしれない。